ジェイムズ・バーナム ある生き方 James Burnham and the Struggle for the World, A Life

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James Burnham ジェイムズ・バーナム 世界のための闘争 ある生き方

..Date: Tue Mar 14 19:14:43 2006;06/03/14, ;

Daniel Kelly; James Burnham and the Struggle for the World — A Life —

James Burnham (1905-1987)の伝記である。

当初,トロツキストとして活動し,トロツキー本人とも親しく,アメリカにおける第4インターナショナル所属政治組織の設立にもかかわった。その後,ソビエト国家をめぐる論争,「堕落した労働者国家, degenerate workers’ state」か,それとも,新たな,managerial 階級による全体主義か,により,トロツキー及びその一派と決裂し,The Managerial Revolution, The Struggle for the World, The Coming Defeat of Communismにより,冷戦における政治的戦争による解放戦略(polwar, liberation strategy as opposed to containment strategy. 中東欧の解放に目標を置く)の主張者,そして,実行者(CIAに所属)となった。

この間,ニューヨーク大学の美学あるいは哲学の教員として,美学,哲学等を教えている。美術面では,モダニストであり,ピカソを高く評価したという。プリンストン大学,その後,オックスフォードのベリオール・カレッジで学んだ。

リアリズムの見地からのリベラリズムに対する痛烈な批判,主敵としてのコミュニズム,マキャベリズムへの接近(The Machiavellian なる書がある。これは,読んでみるべきだ。),センチメンタリズムを排除した冷徹な分析への(しばしば決定論を思わせる,しかもなお,willを強調する)志向,これがその生涯を貫く態度である。(しかし,しばしば,本書が述べるように,その冷静な分析の底には強い感情とロマンティシズムがあり,それが,場合によっては,冷静な分析をねじまげたこともあった。)

後半生は,National Reviewの編集者・寄稿者として活動したが,単なる,レッセフェール及び反共産主義を旨とする(美的感覚も古い)旧「右翼」ではなく,メディケアに賛同し,カーター政権の外交をも一定限度で支持する,新しい「右翼」であった。本書も,彼を neoconservativeの嚆矢ととらえている。黒人問題をめぐるやや差別主義者的な発言(しかし,旧右翼とは違いがある。本書は,レーシストではないと弁護する。),それと結びついた公民権運動に対する反感(自覚的・意識的運動ではなく,社会の自然な発展にまかせよ,ということのようだ。しかし,発展は,人の行動を通じて実現されるということを考えなければならない。)は,バーナムの誤りである。しかし,これも一時的であったかのように思える。すなわち,晩年に至るほど,原理主義的保守主義とは一線を画すようになったからである。

本書の叙述は,公平・客観的で,アメリカの一知識人のたどった途を見事に描き出している。同じ気質(temperament)は,おそらく,いや,明確に,様々な知識人に共通している。彼らは,広い意味でのイデオロギーの世界における先駆者なのだ。バーナムが,憲法的民主主義国における行政権力の強大化による新しい全体主義について,ボナパルティズム,後には,シーザリズムと規定していることも興味深い。(権威主義的全体主義。共産主義がこれに当たるのか,これについてもこの用語を用いているかどうかは,検討を要する。)

その他特に印象に残った部分を列挙する。

p.105. Machiavellian, modern philosophers following Machiavellianism, Pareto, Mosca, etc.

p.121. writing the Struggle for the World.

p.141. The Coming Defeat of Communism. Political subversive strategy insisted on.

p.269. Burnham’s heterodoxy, toward more liberal attitudes, e.g., for Medicare, a sharp contrast aginst his opposition to school busing (though he is not a racist, Kelly claims).

p.290. Burnham seems to have degenerated, as he wrote a book on liberalism. The West’s decline he claimed was, simply, not true, in my opinion. It was becoming an empire embracing various regions, races, cultures, etc under its hegemony.

pp. 305-306. On hippies, Burnham’s analysis is that it is a necessary tendency accompanying the U.S’s growing to an empire embracing various groups of people, e.g,, races, colors, creeds, etc.

p.311. Not a racist, but Burnham’s position is not clear. >Burnham for extreme measures necessary against VietCongs.

p.324. On journalism, it is like pornography.

Congress and the American Tradition. Against the growing of Executive Power, for the liberty of people.

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